東京おりがみミュージアムブログ

浅草から約徒歩10分ほどの、墨田区本所にある日本折紙協内にある小さなおりがみミュージアムのブログです。

月刊おりがみ2月号 No.522 特集 しあわせアイテム 

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特集 しあわせアイテム

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子
第2 話 こぶとりじいさんTHE OLD MAN WHO GOT RID OF HIS LUMP
2月といえば節分ですね。節分といえば鬼! 鬼が出てくるお話といえば、桃太郎やこぶとりじいさん。鬼征伐の桃太郎もいいのですが、あえて鬼を喜ばせた凄腕のこぶとりじいさんを選んでみました。色紙には越前和紙をちぎって貼り、岩穴の雰囲気を出しました。鬼は笠原邦彦さんの鬼を使わせていただきました。この鬼のユーモラスなこと!大好きな作品です。遠近感を出すために二人の鬼さんの大きさを変えました。
 おじいさんは自分で考えてみました。体に着物を着せる形にし、はかまも着物の脇にはさみこめるようにタグの部分を付けました。昔懐かしい着せ替え人形のようで楽しかったです。
 顔は百円ショップのダイソーの両面折り紙を使いましたが、普通の折り紙で、顔が白くても、頭巾が白くてもよいと思います。体も顔と色味をあわせたくて両面折り紙を使用しています。
 鶏は朝を告げる終宴の合図ですので、上部の角に配置しました。北村惠司さんの「おんどり」を使いました。
 前回の「十二支のはじまり」と同様、大色紙(27cm × 24cm)を使っています。表情豊かに色紙を作ってください。(立花澄子)
※「こぶとりじいさん」のあらすじは、P19 のミニ知識の欄に掲載しています。

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◆オニ包みEnvelope with oni by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子
折り紙に遊んでもらっているうちにできあがった作品です。何を中に入れて包もうかな?と考えているうちに、お福さんも作ってあげなければと作ったのが「福ふく包み」(写真下)です。オニの部分はネコのようにも見えますので、「ネコ包み」としても使えそうです。(作者)

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◆オニの豆入れOni-shaped bag for scattering parched beans by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江
伝承のチューリップを折ろうとしてできた作品です。(作者)

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◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson39 
Heart with stand by Mr. Francis M.Y.OW

フランシス・オウさん(1949-2018)は、ハートやユニット作品を多く創作された、シンガポールの折り紙作家です。日本の出版社から『折り紙ハート』(1990年 筑摩書房 発行 布施知子さん 監訳)などを出されているので、日本のファンもたくさんいます。今月号の作品は上記の本や、”BOS Birmingham ’86 Convention” などに収録されています。なお、スタンドつきハートの作品には、右下の写真のようなもの(”GENERATIONS OF LOVE”)もあります。
Francis OW (1949 - 2018) is an origami author in Singapore who has created
many heart models and modular origami models. As his book, “Origami hāto
[Origami Hearts]” (translated by Tomoko FUSE, Chikuma shobo, 1990), is
published in Japan, there are many Japanese supporters. The model in the
current issue is included in the above- mentioned book
and “BOS (British Origami Society) Birmingham ’86
Convention”. The model, “GENERATIONS OF LOVE”,
shown in the picture on the bottom right is one of his
“Heart with stand” models. (Author)

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◆HARLEQUIN’S HEART
Francis M.Y.OW
ハーレクィンとはパントマイム劇の主役の道化師役です。格子の柄の衣装を着ていることからこの作品名がついたようです。この作品もP20-21と同じようにハートの形のスタンドです。

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◆ハート付きカードCard with double hearts by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子
2つのハートがついた作品を折って見ようと折り進めると、カードまたはコーナークリップとして使えるものができました。上のスキマにちょっと入れたりもできます。(作者)

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◆箱Box Traditional model
伝承
折り紙歴史研究家の岡村昌夫さんの本誌連載「勾こうとう当さんの折り紙」で紹介された、江戸時代からある伝承作品です。明治時代の雑誌にも「紙ばこ」として紹介されていました。和紙の強さ、しなやかさがないと折れない手順だったのを、以下のように和紙を使わなくても折れる手順に工夫されています。

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◆おってあそぼう!
コアラ
桃谷 好英
15cm角の大きさの紙で折って、コアラの手の部分を指にはさむと、とまります。(作者)

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◆取っ手付きカップCup with a handle by Mr. Motoyuki ASAI
浅井 基言
「コップ」は有名な伝承作品の一つですが、取っ手が付いた折り紙作品が作りたいと思い、この作品を仕上げました。(作者)

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◆グリュックスシュバイン(幸運のブタ)
髙木 ひろみ

ドイツでは、ブタは幸福をもたらすと考えられ、「幸運(グリュック)のブタ(シュバイン)」と呼ばれます。クリスマスが終わると、1ユーロセントコインを乗せたブタの置き物を新年が幸運であるように贈り合う風習があるそうです。(作者)

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◆読者の広場

支部だより
舞子海上プロムナードで「おりがみフェスティバル」開催
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県

◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫