東京おりがみミュージアムブログ

浅草から約徒歩10分ほどの、墨田区本所にある日本折紙協内にある小さなおりがみミュージアムのブログです。

月刊おりがみ2019年11月号 No.531 特集:ノアおんがく部

 

f:id:origami-noa:20191105154744j:plain


特集 ノアおんがく部


◆おりがみギャラリーNo.346
こどもとともに飾れる壁面12か月
斉藤 静夫

おりがみ日本むかし話シリーズ
構成・創作 立花 澄子

第11話 かちかち山
早いものでもう11 月ですね。11 月には紅葉の季節を経て冬に向かっていくというイメージがあります。紅葉から山の中を連想して、今回のお話は「かちかち山」にしました。
 いろいろな場面がありますが、山の中でタヌキが背負った薪にウサギが火をつけた場面にしました。「かちかち山」のタイトルの由来になるところです。石を打つカチカチという音を不審に思ったタヌキを、ウサギが「ここはかちかち山だからかちかち鳥が鳴いている」とだますのです。薪を赤くして火がついた! 大変!! 大好きなばあさまを殺されてしまった復讐とはいえ、なかなか怖い場面ですよね。
 タヌキは頭と体と尾の3 枚、ウサギには頭と体の2 枚を使って作りました。初めは両方とも1 枚折りで仕上げていたのですが、少し難しくなったので枚数を増やして簡単にしました。実はウサギの背が少し高いのが気になっているのですが、同じようにお思いの方は少し折り込んで背を低くしてもよいでしょう。
 ウサギは手をずらして動きを出すと、火打石をカチカチさせている感じが出ると思います。火打石の用紙が小さいので、四角に折ったものでもいいと思います。タヌキの背負子は薪が積み上がっているイメージです。赤色とクラフトの両面折り紙を使い、肩ヒモは細長い用紙で折って、手の部分にとおしてのりづけしてあります。
 台紙(大色紙27cm × 24cm)には薄緑色の越前和紙を回りに貼り、フチの部分に落ち葉や紅葉のイメージで和紙をちぎってのりづけしました。

f:id:origami-noa:20191105160455j:plain



◆どんぐりAcorn by Ms. Mieko SETA
瀬田美恵子
1枚折りで立体的に仕上がるこの作品は、掲載当時人気がありました。①③の折る位置によって、実と殻かくと斗(からの部分)の大きさの割合が変わります。7.5cm角の紙で折ったとき、①の※の幅を1cmくらいにすると⑧で左右のカドの白い部分があまり出ないのでよいようです。

f:id:origami-noa:20191105160527j:plain


◆八分音符と四分音符Eighth note and Quarter note by Mr. Shin MITARAI
御手洗 伸

正方形の紙から折り込んでいくので、厚手の紙だとすぐに破れてしまいます。そんなときにはあらかじめP18のような、長方形の紙で折り始めるとよいでしょう。仕上がりもきれいです。(作者)

f:id:origami-noa:20191105160551j:plain



◆かわいい女の子Lovely girl by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江
愛らしい女の子です。いろんな柄で折って楽しめます。前髪の部分にも襟えりのように切り込みを入れたり、シールを髪飾りのように貼ったりするともっとかわいらしくなります。(作者)

f:id:origami-noa:20191105160618j:plain

◆女性の指揮者Female musical conductor by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子
コマーシャルで女性の指揮者の方がカッコよく指揮をしている姿を見かけました。黒色の折り紙で折ったら雰囲気が出るかな…と思いながら折って見ました。タクト(指揮棒)は別の紙で折って持たせるようにのりづけします。(作者)

f:id:origami-noa:20191105160759j:plain

◆グランドピアノGrand piano by Ms. Patricia CRAWFORD
作者はアメリカ人女性で、名作として、人気の作品です。日本折紙協会の元理事の高たかはま濱利としえ恵さん(故人)が紹介されたものです。折りすじがつきやすい、張りのある紙で、24cm角くらいの大きめの用紙で折るとよいでしょう。

f:id:origami-noa:20191105160711j:plain



◆オルガンOrgan by Mr. Nobuyoshi ENOMOTO
榎本 宣吉
オルガンのシルエットに箱の立体化の要素を取り入れることで、型くずれしにくい、しっかりとしたつくりになっています。学習机などに見立てることもできます。

f:id:origami-noa:20191105160735j:plain

◆オペラ歌手Opera singer by Ms.Ayako KAWATE
川手章子
何気なく折り紙と遊んでもらっているうちに、気がつくと仕上がっていた作品です。15cm角で折ると小さくなるので大きめの紙で折るとよいでしょう。すそのながーいドレスを着たお人形さんのようです。幼いころ、アメの包み紙でお人形さんを作っていたことを思い起こしました。(作者)

f:id:origami-noa:20191105160819j:plain


◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson 48
Ginkgo leaves by Ms. Minako ISHIBASHI
いちょう 石橋 美奈子


いちょうの葉っぱには、切れ込みのないもの(「扇型」または「スカート型」)と、あるもの(真ん中に一本が「ズボン型」、複数本が「てのひら型」)とがあります。扇型とズボン型の2通りを折り紙で作ってみました。緑、黄緑、黄色の3色の折り紙で折って、葉が色づいていく様子を表現できます。なお、いちょうには雄株と雌株とがありますが、スボン型の葉をオスとする説があります。これは俗説で、葉っぱの形で雌雄は区別できません。(作者)
There are two types of ginkgo leaves: one without notch (called “fan” or “skirt”)
and one with notches (“trousers”: one notch in the middle, and “palm of the
hand”: several notches). I made fan-shaped and trouser-shaped Ginkgo with
origami. Folding with three pieces of origami papers of green, yellow-green,
and yellow, you can express how the color of ginkgo leaves changes. There are
male and female strains of ginkgo and it is a common saying that the leaves of
“trousers” are male. However, actually the sex of a leaf is not distinguishable by its shape. (Author)

f:id:origami-noa:20191105160841j:plain



◆楓 Maple leaf by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ
もみじの葉を手にとると、なぜかクルクルと回したくなります。うまく折れたら時々、クルクルします。⑳は葉が浮きにくくなるロックです。紙が厚くてかたいので、折らなくてもよいです。できあがりの形は同じですから。(作者)

f:id:origami-noa:20191105160912j:plain



◆葉っぱの器Leaves’ basket by Mr. Toshikazu KAWASAKI
川崎敏和
正方形の半分の長方形の紙18枚を葉っぱの形に折って、「うず組み」(作者命名)にしてお椀形の器にした作品です。うず組みの他の作例については、『452号』~『457号』の川崎さんの連載「もの作り教育に役立つ幾何折り紙教材の開発」(全6回)の第3回(『454号』)に「鎧よろいだま玉」などがあります。

f:id:origami-noa:20191105160946j:plain


◆読者の広場


支部だより
「夏の創作おりがみ展」報告
長崎支部「おりがみ伝承の会」支部長 宮本眞理子/長崎県

◆神戸支部活動報告(1)私たちの10周年展開催
  神戸支部「おりがみ かうべ」(支部長 柴本厚子) 文:酒井好子/兵庫県

◆みんなの作品展

◆World Origami Report
フランス折紙協会(MFPP)を訪ねて   松井佳容子(京都府

◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

 

2019年10月より協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートが新しくなりました!月刊おりがみもこちらから購入できます。
約500種のラインナップをそろえてお待ちしています!
 
月刊おりがみは雑誌オンラインショップのFujisan.co.jpでも購入できます。

www.fujisan.co.jp



◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。

[折り紙教室料金表]
1.講師報酬:講師1名につき、12,600円(拘束3時間以内・対象40名まで)
※対象60名まで2名、80名まで3名、100名まで4名の講師が必要です。
※標準的な時間割は、講習1コマ45分(2作品)、準備・休憩15分です。

2.超過料:3時間を越える1時間毎に講師1名につき、2,100円を加算
3.材料費(折り紙):実費(一人100円程度+会場宛送料)※そちらで用意する場合は不要。
4.教材費(教本等):実費(内容により不要)
5.講師交通費:実費
6.講師昼食代:実費(時間帯による)
7.講師宿泊費:実費(日程による)
8.管理費:上記1~7の合計金額の50%がマネージメント料として加算されます。
※上記料金は消費税込み

※折り紙教室料金のご請求とお支払いについて
折り紙教室実施後、講師が協会に提出する「折り紙教室実施報告書」に基づき請求書を作成し、ご送付申し上げますので、ご検収の上日本折紙協会へお支払いください。
※講師への報酬等は日本折紙協会から講師にお支払いいたします。

折り紙教室でご準備いただくもの
1.予定参加人数分の机とイスをご用意ください。
2.入門証等の証明パスが必要な場合は、手続き方法と通用口をお知らせください。
3.宿泊を必要とする場合は、宿泊場所の手配の有無をお知らせください。
4.講師の人数に応じた講師控え室を教室付近にご用意ください。
5.作品展示をご希望の場合は、事前にご相談ください(別料金)。


教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162