月刊おりがみ2019年12月号 No.532 特集:クリスマス
特集 クリスマス
◆東海林伸嘉 作品集
季節の流れのなかで
おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
最終話 笠地蔵
構成・創作 立花澄子
とうとう師走となりました。年々一年が過ぎるのが早くなります。12 月はクリスマス一色になりますが、もともとは日本のお祭りではないので年末そして年越しのイメージから「笠地蔵」にいたしました。
このお地蔵さんは本来、六地蔵なのですが、六体折るのは大変なので三体にしました。少し小さく折れたら六体並べてもよいと思います。笠をかぶせていきますが、最後の一体には笠がなくなって困ったおじいさん。これから自分
の頬被りを外してお地蔵さんにかけてあげる場面です。
頬被りは丸みを帯びているため、女の人のように見えてしまうので、顔をおじいさんらしくかいてください。おじいさんは冬支度をしないと雪道を歩けないので、みのとわらぐつ
を足しました。みのは肩にかけるように折りました。わらぐつは足の部分にさしこんではけるようにしたかったのですが、加減によってさしこめなくなりました。足の上に貼ってください。
今回の色紙の情景には登場しませんが、このお話のおばあさんが素敵ですよね。年越しのものを工面するための笠をお地蔵さんにかぶせ、そして自分の頬被りまでもさしだしたおじいさんを「よいことをなさった」と労うのです。なんて心温まるのでしょう。
これまで画用紙上に構成することが多かったので、今回の連載では色紙の大きさに苦労しました。一年間、お付き合いくださりありがとうございました。またどこかでお会いできたらいいなと思います。皆様のもとにお地蔵様がプレゼントを持ってきてくれますように。(立花澄子)
◆長ぐつBoots by Ms. Tsugiyo HANAOKA
花岡 次代
サンタの長ぐつは赤と白の折り紙で。雨の日の長ぐつはカラフルな折り紙で楽しく。雪の日は白の折り紙をベースに雪道に長ぐつの足跡をのこすように。(作者)
◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson49
Santa by Ms. Shoko AOYAGI
昨年の12月号の『520号』に掲載していただいた2枚折りの「陽気なサンタさんのグリーティングカード」に雰囲気が似ています。今回のは1枚折りで封筒にはなっていませんが、体にポケットがあるので、ちょっとしたものならはさむことができます。辺と辺とあわせて折る工程がほとんどなので、リズムよく仕上がります。カードにしてもお楽しみください。(作者)
This model is similar to “Merry Santa’s Greeting Card” published in “Origami
No.520 (December 2018)”, which was made from two sheets of paper. This
model, made from a single paper, is not an envelope, but you can insert a small
object in the back of Santa’s body. It may be also used as a card. As most
of the steps are to fold the flap simply to the edge, you can finish folding
rhythmically. (Author)
◆プレゼントサンタSanta with a pocket by Ms. Masako FUTAWATARI
二渡 昌子
おなかに小さなお菓子などを入れてツリーに飾ったら楽しいと思います。仕上げにまるいシールを貼ると、よりサンタらしくなります。(作者)
◆星の子Star by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ
もともとはハロウィンの星のおばけとして「マッドスター」と名付けたものです(写真右)。手にあるポケットにさしこむとリースになります。手や足を折っていろいろなポーズがつけられます。ホイル折り紙が折りやすいです。やんちゃな星の子を楽しんでください。(作者)
◆リバーシブルの木Reversible tree by Ms. Harumi TAKEI
武井 春美
色の出し方、組み方によって両面で楽しめます。図では3段ですがもっと段を増やすこともできます。紙の大きさを変えても楽しいです。幹を広げると、立たせることもできます。(作者)
◆そりSled by Ms.Takako OGURA
小倉 隆子
梨箱の下に竹をつけた手作りのそり。奇声をあげながら、山の斜面を滑って遊んだものです。昔懐かしい形のそりができあがりました。⑦~⑩の立体的な折りが少し難しいですが、折ってみてください。(作者)
◆柊の飾りと柊のリースEnglish holly ornament and English holly wreath by Ms. Minako ISHIBASHI
石橋 美奈子
4枚組みの飾りはのりづけなく組めます。真ん中に以前「ぶどう」として発表した作品を貼り付けて柊の実としました。難しいときは赤い丸シールを使いましょう。(作者)
◆ミラーワークMirror work by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ
裏もきれいな両面リングです。鏡を中心に置いて放射状に糸でとめつける刺ししゅう繍の技法の「ミラーワーク」に似ていると思って名付けました。鏡の代わりにキラキラした紙をさしこむと雰囲気が近づきます。(作者)
◆ハートのペンダント
Heart pendant by Hiromi Takagi
髙木 ひろみ
ハートにつるすところを作りました。③~⑦は面倒ですが、3等分をなるべく正確にしるす折り方です。ハートの表に折りすじが出ないような図になっています。 ⑩でほんの少し上の位置で折るとハートがふっくらします(P35下)。その場合の⑫と⑬の○はかさならずにズレが生じます。(作者)
◆ツーピースのお洋服Two-piece
川手 章子
何気なく折っていてできあがった作品です。ボレロ付きのワンピースにも見えるお洋服です。かわいらしい女の子のお出かけ着かもしれません。このお洋服を着たらどんな気持ちかな…と思いました。(作者)
◆読者の広場
●夏休みイベントでの折り紙ワークショップ
田口健司さん(東京都)
◆支部だより
2019年度支部活動報告
練馬支部「NOAこぶし会」支部長 服部周平/東京都
◆神戸支部活動報告(2)「おもちゃ箱列車」で折り紙講習
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県
◆みんなの作品展
おりがみ教室「折体輪」作品展と、2人展「 折舞 ORI-MY」を、この夏、続けて開催 根本聖恵(埼玉県)
◆World 0rigami Report
外務大臣表彰レセプション報告
Origami Oritai 隊長 明日仁見(インド・ニューデリー)
◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫
◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。
教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
2019年12月、日本折紙協会2階 定期講習会のご案内
月刊おりがみ2019年11月号 No.531 特集:ノアおんがく部
特集 ノアおんがく部
◆おりがみギャラリーNo.346
こどもとともに飾れる壁面12か月
斉藤 静夫
おりがみ日本むかし話シリーズ
構成・創作 立花 澄子
第11話 かちかち山
早いものでもう11 月ですね。11 月には紅葉の季節を経て冬に向かっていくというイメージがあります。紅葉から山の中を連想して、今回のお話は「かちかち山」にしました。
いろいろな場面がありますが、山の中でタヌキが背負った薪にウサギが火をつけた場面にしました。「かちかち山」のタイトルの由来になるところです。石を打つカチカチという音を不審に思ったタヌキを、ウサギが「ここはかちかち山だからかちかち鳥が鳴いている」とだますのです。薪を赤くして火がついた! 大変!! 大好きなばあさまを殺されてしまった復讐とはいえ、なかなか怖い場面ですよね。
タヌキは頭と体と尾の3 枚、ウサギには頭と体の2 枚を使って作りました。初めは両方とも1 枚折りで仕上げていたのですが、少し難しくなったので枚数を増やして簡単にしました。実はウサギの背が少し高いのが気になっているのですが、同じようにお思いの方は少し折り込んで背を低くしてもよいでしょう。
ウサギは手をずらして動きを出すと、火打石をカチカチさせている感じが出ると思います。火打石の用紙が小さいので、四角に折ったものでもいいと思います。タヌキの背負子は薪が積み上がっているイメージです。赤色とクラフトの両面折り紙を使い、肩ヒモは細長い用紙で折って、手の部分にとおしてのりづけしてあります。
台紙(大色紙27cm × 24cm)には薄緑色の越前和紙を回りに貼り、フチの部分に落ち葉や紅葉のイメージで和紙をちぎってのりづけしました。
◆どんぐりAcorn by Ms. Mieko SETA
瀬田美恵子
1枚折りで立体的に仕上がるこの作品は、掲載当時人気がありました。①③の折る位置によって、実と殻かくと斗(からの部分)の大きさの割合が変わります。7.5cm角の紙で折ったとき、①の※の幅を1cmくらいにすると⑧で左右のカドの白い部分があまり出ないのでよいようです。
◆八分音符と四分音符Eighth note and Quarter note by Mr. Shin MITARAI
御手洗 伸
正方形の紙から折り込んでいくので、厚手の紙だとすぐに破れてしまいます。そんなときにはあらかじめP18のような、長方形の紙で折り始めるとよいでしょう。仕上がりもきれいです。(作者)
◆かわいい女の子Lovely girl by Ms. Michie TAKAYAMA
髙山 三千江
愛らしい女の子です。いろんな柄で折って楽しめます。前髪の部分にも襟えりのように切り込みを入れたり、シールを髪飾りのように貼ったりするともっとかわいらしくなります。(作者)
◆女性の指揮者Female musical conductor by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子
コマーシャルで女性の指揮者の方がカッコよく指揮をしている姿を見かけました。黒色の折り紙で折ったら雰囲気が出るかな…と思いながら折って見ました。タクト(指揮棒)は別の紙で折って持たせるようにのりづけします。(作者)
◆グランドピアノGrand piano by Ms. Patricia CRAWFORD
作者はアメリカ人女性で、名作として、人気の作品です。日本折紙協会の元理事の高たかはま濱利としえ恵さん(故人)が紹介されたものです。折りすじがつきやすい、張りのある紙で、24cm角くらいの大きめの用紙で折るとよいでしょう。
◆オルガンOrgan by Mr. Nobuyoshi ENOMOTO
榎本 宣吉
オルガンのシルエットに箱の立体化の要素を取り入れることで、型くずれしにくい、しっかりとしたつくりになっています。学習机などに見立てることもできます。
◆オペラ歌手Opera singer by Ms.Ayako KAWATE
川手章子
何気なく折り紙と遊んでもらっているうちに、気がつくと仕上がっていた作品です。15cm角で折ると小さくなるので大きめの紙で折るとよいでしょう。すそのながーいドレスを着たお人形さんのようです。幼いころ、アメの包み紙でお人形さんを作っていたことを思い起こしました。(作者)
◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson 48
Ginkgo leaves by Ms. Minako ISHIBASHI
いちょう 石橋 美奈子
いちょうの葉っぱには、切れ込みのないもの(「扇型」または「スカート型」)と、あるもの(真ん中に一本が「ズボン型」、複数本が「てのひら型」)とがあります。扇型とズボン型の2通りを折り紙で作ってみました。緑、黄緑、黄色の3色の折り紙で折って、葉が色づいていく様子を表現できます。なお、いちょうには雄株と雌株とがありますが、スボン型の葉をオスとする説があります。これは俗説で、葉っぱの形で雌雄は区別できません。(作者)
There are two types of ginkgo leaves: one without notch (called “fan” or “skirt”)
and one with notches (“trousers”: one notch in the middle, and “palm of the
hand”: several notches). I made fan-shaped and trouser-shaped Ginkgo with
origami. Folding with three pieces of origami papers of green, yellow-green,
and yellow, you can express how the color of ginkgo leaves changes. There are
male and female strains of ginkgo and it is a common saying that the leaves of
“trousers” are male. However, actually the sex of a leaf is not distinguishable by its shape. (Author)
◆楓 Maple leaf by Ms. Sayoko KUWABARA
くわばら さよこ
もみじの葉を手にとると、なぜかクルクルと回したくなります。うまく折れたら時々、クルクルします。⑳は葉が浮きにくくなるロックです。紙が厚くてかたいので、折らなくてもよいです。できあがりの形は同じですから。(作者)
◆葉っぱの器Leaves’ basket by Mr. Toshikazu KAWASAKI
川崎敏和
正方形の半分の長方形の紙18枚を葉っぱの形に折って、「うず組み」(作者命名)にしてお椀形の器にした作品です。うず組みの他の作例については、『452号』~『457号』の川崎さんの連載「もの作り教育に役立つ幾何折り紙教材の開発」(全6回)の第3回(『454号』)に「鎧よろいだま玉」などがあります。
◆読者の広場
◆支部だより
「夏の創作おりがみ展」報告
長崎支部「おりがみ伝承の会」支部長 宮本眞理子/長崎県
◆神戸支部活動報告(1)私たちの10周年展開催
神戸支部「おりがみ かうべ」(支部長 柴本厚子) 文:酒井好子/兵庫県
◆みんなの作品展
◆World Origami Report
フランス折紙協会(MFPP)を訪ねて 松井佳容子(京都府)
◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫
◆~おりがみ教室とは~◆
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。
[折り紙教室料金表]
1.講師報酬:講師1名につき、12,600円(拘束3時間以内・対象40名まで)
※対象60名まで2名、80名まで3名、100名まで4名の講師が必要です。
※標準的な時間割は、講習1コマ45分(2作品)、準備・休憩15分です。
2.超過料:3時間を越える1時間毎に講師1名につき、2,100円を加算
3.材料費(折り紙):実費(一人100円程度+会場宛送料)※そちらで用意する場合は不要。
4.教材費(教本等):実費(内容により不要)
5.講師交通費:実費
6.講師昼食代:実費(時間帯による)
7.講師宿泊費:実費(日程による)
8.管理費:上記1~7の合計金額の50%がマネージメント料として加算されます。
※上記料金は消費税込み
※折り紙教室料金のご請求とお支払いについて
折り紙教室実施後、講師が協会に提出する「折り紙教室実施報告書」に基づき請求書を作成し、ご送付申し上げますので、ご検収の上日本折紙協会へお支払いください。
※講師への報酬等は日本折紙協会から講師にお支払いいたします。
折り紙教室でご準備いただくもの
1.予定参加人数分の机とイスをご用意ください。
2.入門証等の証明パスが必要な場合は、手続き方法と通用口をお知らせください。
3.宿泊を必要とする場合は、宿泊場所の手配の有無をお知らせください。
4.講師の人数に応じた講師控え室を教室付近にご用意ください。
5.作品展示をご希望の場合は、事前にご相談ください(別料金)。
教室時間割(プログラム)その他ご不明・ご要望は担当佐野までお気軽にご相談ください。
TEL:03-3625-1161 / FAX:03-3625-1162
2019年11月、日本折紙協会2階 定期講習会のご案内
キッズおりがみフェスタ2019
■ キッズおりがみフェスタ2019 開催
主催:一般社団法人日本折紙協会
期間:2019年11月2日(土)〜11月4日(月/振替休日)
場所:東京スカイツリータウン ソラマチ5階 「スペース634」(東京都墨田区押上1丁目1-2)
受付:会場内 ※受付を行わないと、イベントに参加できませんのでご注意ください
時間:午前10時〜午後6時 ※2日(土)のみ午後1時オープン
入場:無料 ※ 有料プログラムあり
対象:不問 ※ 就学前のお子様のみの入場はご遠慮いただきます
● 後援・協力
後援:墨田区教育委員会(予定)
● 併催行事
併催:おりがみの日記念作品展 第25回おりがみカーニバル 11月1日(金)〜13日(水)
会場:東京スカイツリータウン・ソラマチ5階 産業観光プラザ すみだまち処
月刊おりがみ2019年10月号 No.530 特集:ハロウィン
特集 ハロウィン
新しいおりがみショップオープン致しました!
いつも日本折紙協会ショッピングカートをご利用いただき誠にありがとうございます。
2019年10月1日より日本折紙協会の新しいショプがオープン致しました!
以前より見やすく、商品数も今後増やして行く予定です。
今後とも日本折紙協会ショッピングカートを宜しくお願い致します!
本日より日本折紙協会のネットショップを改装オープン致しました!
— 東京おりがみミュージアム (@origaminoa) 2019年10月1日
もっと皆様に愛されるショップにしていきたいと思ってますのでよろしくお願いいたします。
おりがみショップ https://t.co/kmSpJrakre @origaminoa #storesjp