東京おりがみミュージアムブログ

浅草から約徒歩10分ほどの、墨田区本所にある日本折紙協内にある小さなおりがみミュージアムのブログです。

月刊おりがみ7月号 No.527 特集:七夕

特集 七夕

◆おりがみ日本むかし話シリーズ
Origami picture of Japanese falk tales made by Ms.Sumiko TACHIBANA
構成 立花 澄子
第7話 寸法師

Wooden bowl(original model by Mr.Kunihiko KASAHARA) 原作:笠原 邦彦

7月といえば七夕ですので、七夕のお話とも思いましたが、あれは確か中国から来たお話だったような!?…、「日本昔ばなし」として紹介していいのか!??。そこで、夏といえば水、さらに川や海という連想から、川をお椀の舟に乗って流れていく一寸法師にいたしました。
 一寸法師の頭とお椀は笠原邦彦さん原作のものに少しアレンジを加え、髪を短めに、お椀には少し丸みをつけてみました。
 舟をこぐためのお箸は細長い用紙をかんのん折りにして下部を少し細くしたものにしました。波は色紙に貼ってある組み方を図示していますが、向きを変えたり好きなように組み合わせてみてください。上向きでも下向きでも左右逆でも、水の流れがみえてくると思います。
 波にお椀の下部が隠れるように貼って、一寸法師をお椀にさしこんで「乗船」させて、お箸の櫂を持たせましょう。
 台紙はいつも通りの大色紙(27cm × 24cm)に、越前和紙を天地(天は約8cm 幅、地は3.5cm 幅)に下図のように貼りました。天は緑色を貼り、その上に空をイメージして水色、さらに雲の白色をちぎって貼りました。一方、地には水色を貼りました。白い雲と水で、色紙に流れが表現できたと思います。
 一寸法師が流れに乗って、無事に都へ行けますように!(立花澄子)
※「一寸法師」のあらすじは、P29のミニ知識の欄に掲載しています。

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◆織姫、彦星Vega doll and Altair doll by Ms. Yo-ko NAKAMOTO
中本 容子

私の初の折り図掲載作品は、『251号(1996年7月号)』の「おりひめ・ひこぼし」(写真右)でした。以来、23年ぶりの「織姫、彦星」です。今回の織姫の頭は切り込みを入れることにより、難しくなりすぎることなくうまく表現できました。(作者)

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◆着物のカードKimono card by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

色々な千代紙で折って、柄がきれいに出るととても楽しいです。メッセージを書いたり、立てて飾ることができます。七夕の短冊としてつるして使用するときは、折り目が伸びてしまわないようにマスキングテープやシールを帯がわりに貼るとよいでしょう(写真右ページ)。(作者)

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◆英語でオリガミしよう  Let’s enjoy both Origami and English!
ウシくんのメモ入れ 川手章子

投稿の時には右の写真のような作品でしたが、⑬から⑯のように内側を折って白い角を出してみました。谷折りして顔を前面に出しますが、いったん元に戻して逆三角形のところで山折りしてさしこむと収まりが少しよくなります。鼻とあごの裏側をのりづけするとよいでしょう。楽しく使っていただければうれしいです。(作者)
“The picture on the right shows the originally posted model to which I have added
two white horns in steps ⑬ to ⑯. After making a valley fold to bring the face to
the front at step ㉖, you can once unfold to fold backward and then valley fold
again to place the face well. You may want to glue the back of the nose and chin.
I hope you enjoy using it. (Author)

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◆漢字の七夕Kanji(Chinese character) having the meaning of Tanabata by Mr. Ko-ichi DATE
伊達 光一

「七」は元々「切」の偏へんだけにして折り上げた作品です。「夕」は依頼で創作したのですが、実は「夜」「夢」のためにストックして修正する予定でした。でも、結局そのままにしました。なお、「七」は骨を切った形からできた文字、「夕」は夕ぐれの空の三日月をあらわした文字だそうです。(作者)

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◆笹の葉と鶴の菱飾りBamboo grass and Diamond decoration with a crane by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

「笹の葉」は子どものころ、鶴の折り方を間違えてなんだか変な鶴ができてしまった経験から生まれました。「七夕の菱飾り」は天の川を表現したものだそうです。魔除けの意味がある五色で折ってください。「鶴の菱飾り」と「笹の葉」はつなげることができます。(作者)

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◆宇宙飛行士Astronaut by Mr. Kunihiko KASAHARA
笠原 邦彦

この宇宙飛行士はそのまま潜水夫にもなります。この作品は(頭部)の折り方が、いかにもそれらしく出来ていて気に入っています。それから足の折り方ですが、前後に重なっているのを(中わり折り)で組み変えて2本にする技法は、千野利雄先生から学んだものです。(作者)

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◆短冊星ユニットStar wreath with 5 strips of fancy paperstar by Ms.Sayako KUWABARA
くわばら さよこ

なるべく折り数が少なくて、短冊がぐるっと回ったリングを作りました。出来上がった時に穴が星になっていたのは、思いがけないおまけで、うれしくなりました。組んだ後、短冊が浮くので、重石をのせておくと、落ち着きます。(作者)

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◆5枚の組み合わせ鶴Crane holding five pieces of paper by Mr.Akira KAKINUMA
柿沼 明

他社出版の折り紙の本で「五色鶴」という作品で知られるようになった作品です。『月刊おりがみ53号』(1980年2月号)で、「パロディ折り紙」と称して「ヤッコさん」などとあわせて「おりがみ頭の体操」の問題用に投稿された作品です。異なる色の5枚の紙で折りましょう。

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◆飛ぶサギとサギソウFlying heron and Orchid with heron-like flower by Mr. Yoshihide MOMOTANI
桃谷 好英

サギソウは日当たりのよい湿地に生える小さい蘭ですが、花の形が鳥のシラサギに似ていることから名づけられています。小さい蘭は、折り鶴を折って棒につけるだけでもそれらしく見せることができます。サギソウは5cm角くらいの小さな紙で折ってください。(作者)

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◆読者の広場

支部だより
2018年の支部活動より
熊本支部「火の国」(支部長 中田武美)
青少年のための科学の祭典 熊本会場(2018.8/18・19 グランメッセ熊本

◆みんなの作品展
NHK文化センター川越教室
おりがみドリーム作品展 髙山鈴子(東京都)

◆World Origami Report
パリでの折り紙活動  西-SERVAN-SCHREIBER 由美子(フランス)

◆高木 智 氏 収蔵資料より  解説 岡村昌夫
資料9
風流東都八景 忍ケ岡弁財天
(ふうりゅうとうとはっけい しのぶがおかべんざいてん)

今回の作品の折図は月刊おりがみ2019年7月号 No.527に掲載されております。
月刊おりがみは墨田区にある東京おりがみミュージアム日本折紙協会にて販売しております。
〒130-0004 東京都墨田区本所1-31-5
◆ TEL:03-3625-1161/FAX:03-3625-1162   
◆ E-mail:info@origami-noa.com
インターネットでも購入できます。
↓以下のリンクからFujisan.co.jpの購入ページに移動いたします。

https://www.fujisan.co.jp/product/1281681367/b/1833879/ap-origamimuseum/ 

 


協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。 

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。 

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。 

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。 

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。 

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。 

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」を東京スカイツリータウン ソラマチイーストヤード5Fで開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。