東京おりがみミュージアムブログ

浅草から約徒歩10分ほどの、墨田区本所にある日本折紙協内にある小さなおりがみミュージアムのブログです。

月刊おりがみ No.516 2018年8月号 特集:ハッピーサマー

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特集 ハッピーサマー

◆続 デイケアで折り紙~もっとやさしく~
Origami workshop in the day care service 2nd series

最終回 タツノオトシゴ  田中 稔憲
Sea horse by Mr. Toshinori TANAKA

今回の色紙作品は、『おりがみ480 号』の「おりがみガーデン」での写真掲載をきっかけに2017 年7 月の東急カードのキャンペーンに使われた作品ですから、皆さんの中に見たことがある方があるかもしれません。タツノオトシゴというのはとてもユーモラスな「魚」で、心のどこかをくすぐるようなところがありますよね。
 もちろん頭の後ろの部分とか、背中のカーブとか表現したくなる部分はいろいろとあるのですが、そこを我慢して、より単純で簡単に折れるようにと工夫したものです。お年寄りのための作品を作るときには、対象を表現するときに本当にその部分は要るのか、なかったらそれとわからなくなるのかということを常に問い続ける必要があります。表現したいと思っても、対象がそれとわからなくならないのなら、すべて削るというくらいの覚悟というか、思い切りというか、そんなものが必要なのです。

表現要素をしぼりきるというのが伝承化されうる作品を創り上げるための姿勢だと思いますし、尊敬する大橋晧也前理事長の作品には常にそれがあると私は感じます。造形である以上、表現の方法は多様であり、なににも束縛されるべきではないと考えますが、折り紙でなければできない表現とは何かを考え続けていきたいと思うのです。
 タツノオトシゴのいる、のどかな海を表現するために、岩や海藻をつけています。それぞれ自由に構成してよいでしょう。

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◆コノハムシLeaf insect by Mr. Eiji TSUCHIDO
土戸 英二

兵庫県伊丹市昆虫館での折り紙展のために創作した作品です。展示作品は本作よりリアルでしたが、会場での折り紙教室のために簡略化しました。葉脈のような折りすじをしっかりていねいに付けてください。(作者)

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◆クワガタとカブトムシStag beetle and Beetle by Mr.Tetsuo KIMURA
木村哲夫

簡単な昆虫の折り紙を考えていたら、この羽の動きを思いつきました。折った後でも羽は動きますので、広げたり閉じたりしてお楽しみください。

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◆てんとう虫とクローバーLadybird and Four-leafed clover by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木 ひろみ

ドイツの友人にプレゼントするために作りました。てんとう虫は幸運を運ぶ縁起のよいものだそうです。羽の内側にメッセージを書いて、ひもでつるして贈ろうと思います。クローバーを15cm角で折り、てんとう虫を7.5cm角で折ると、てんとう虫がクローバにとまり楽しくなりました。クローバーには下の右の写真のようにアメひと粒を入れることができます。(作者)

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◆しょうりょうバッタ
丹羽 兌子

夏は虫好きの子たちには楽しい季節。このしょうりょうバッタはシンプルな作品ですが、時には折り紙の虫たちの仲間に入れていただければ嬉しく思います。(作者)

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◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!
Lesson33  Sunflowerby Ms.Hiromi TAKAGI

伝承の百面相(フレーベルの模様折りの基礎)からの「くんしょう」のアレンジ作品です。中原恭子さんの「ひまわりのブローチ」(ノアブックス『おりがみ 傑作選3』収録)を、ざぶとん基本形を折らなくてもすべての花びらに色が出るように、また、本体と花心が同じ大きさで折れるように工夫しました。はじくとコマのように回ります。(作者)
This is the arranged model of “Kunsho (medal)” which comes from traditional “various faces (Froebel’s pattern folds)”. I have modified Ms. Kyo-ko NAKAHARA’s “Sunflower’s Brooch” (included in Noa Books“ Origami Masterpiece Selection 3”) so that you can have all the petals colored even without folding the Blintz Base and that you can use the same size sheet of paper to make the main unit and the flower center. Being flicked, the flower turns like a spinning top. (Author)

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◆三角つつみTriangle envelope by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

とてもシンプルなケースですが、使いやすさと折りやすさをほんの少しだけ工夫してみました。しっかりと包めますので、便利に使っていただけたらと思います。両面折り紙で折ると、少し華やぎます。(作者)

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◆家型のカードスタンドHouse-shaped card holder by Mr. Motoyuki ASAI
浅井 基言

ハガキ、名刺、カード、また、折り紙の作品等を立てる時に使うと便利です。折り紙で生活空間を(縁の下の力持ち的な)引立役折り紙作品というテーマで折りました。(作者)

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三葉虫Trilobite by Ms. Mariko MIYAMOTO
宮本眞理子

この作品は、長崎市科学館の恐竜展用に考えたものです。三葉虫は示しじゅん準化かせき石(地層の対比や地層年代決定に役立つ化石)で、形も大きさもさまざまです。⑯の時に角をつまんだり全体を丸くしても形が変わり、右ページのようにアレンジできます。(作者)

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◆クサビフグ Slender sunfish by Mr. Tetsuo KIMURA
木村哲夫

クサビフグはマンボウのようなヒレと、フグのような体形をしています。その特徴的な形を、風船の基本形から折り出しました。(作者)

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◆パンダGiant panda by Mr. Eiji TSUCHIDO
土戸英二

昨年の東京・上野動物園のパンダ誕生を祝って創作しました。頭と体は、同じ大きさの2枚の紙で折ります。(作者)

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◆福かごHappy basket by Ms. Ayako KAWATE
川手 章子

巾着の形のようにも、しもぶくれの形の籠のようにも見えましたので、「福かご」という名前をつけました。コロコロしていて手のひらにのせるとかわいらしく思いました。(作者)

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読者の広場

◆World Origami Report
オランダ折紙協会(OSN)コンベンションに参加して  
半田丈直(愛知県)

◆韓国で折り紙交流            
安藤明子(埼玉県)

◆第19回信州おりがみ交流会報告
信濃支部「りんどう」支部長 成田光昭/長野県

支部活動「日帰りバスツアー」「渡辺先生にお越しいただいて」
神戸支部「おりがみ かうべ」支部長 柴本厚子/兵庫県

◆高木 智 氏 収蔵資料より
解説 岡村昌夫

 

今回の作品の折図は月刊おりがみ2018年8月号 No.516に掲載されております。

月刊おりがみは墨田区にある東京おりがみミュージアム日本折紙協会にて販売しております。

日本折紙協会

〒130-0004 東京都墨田区本所1-31-5

◆ TEL:03-3625-1161/FAX:03-3625-1162   

◆ E-mail:info@origami-noa.com

 インターネットでも購入できます。

↓以下のリンクからFujisan.co.jpの購入ページに移動いたします。

 

www.fujisan.co.jp



協会ホームページに折り紙用紙のショッピングカートができました
約400種のラインナップをそろえてお待ちしています!
http://origaminoa.cart.fc2.com/

日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。 

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。 

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。 

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。 

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。 

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。 

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」や折紙講師勉強会を毎年10月にこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト100」を購入し、テキスト掲載の全作品約100点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料3,240円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。