東京おりがみミュージアムブログ

浅草から約徒歩10分ほどの、墨田区本所にある日本折紙協内にある小さなおりがみミュージアムのブログです。

月刊おりがみ No.514 2018年6月号 特集:ロシアと雨の季節

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特集ロシアと雨の季節

◆続 デイケアで折り紙~もっとやさしく~
Origami workshop in the day care service 2nd series

第10 回波打ち際の蟹   田中 稔憲
Small crabs on the beach by Mr. Toshinori TANAKA

今月は「蟹」を取り上げます。蟹にもいろいろな種類があって、それぞれ形に違いがあります。美おい味しいのは、まずなんといってもズワイガニ。甲こうら羅はお結び形をしています。江戸時代の文献『かやら草』にある蟹は、そのまま折ると甲羅は円または楕だえん円になるので、モクズガニや上しゃんはい海蟹の仲間の蟹の形になります。足の長いタカアシガニに、五角形の形のタラバガニやアブラガニ、菱形に近い形のガザミの仲間、さらには一方の手だけが長いシオマネキの仲間もいます。
 では、どの蟹が折り紙作品にふさわしいかというと、いわゆる沢さわがに蟹や赤あかてがに手蟹の仲間が可愛らしくて好まれるようです。今回紹介するのはこの沢蟹の仲間の蟹と思っていただくとよいと思います。とはいえ、甲羅はいろいろに変化させられるので、実際はどの蟹にもよく似た形にできます。甲羅は正方形をたすきがけにして折る場合を紹介していますが、折り本の形にしてから折り進めることもできます。その方がいろいろなバージョンが作りやすいのですが、お
年寄りにとって扱いやすいのはたすきがけにしてから折る方法がよいと思います。この場合は糊付けも不要です。今回は立体に仕上げていますが、おなかの部分を「半開折り」にしないでしっかり折って色紙作品にすることもできます。蟹の作品は、私が考えたものだけでも20 くらいのバリエーションがありますが、まだまだ作れそうです。編集部には写真だけでもいくつか紹介することをお願いしましたが、作られるのが80 歳前後の方ならご自分で色々考えてもらうのも面白いと思います。足は4 本しかないのですが、8 本全部折ろうとしないことで、無理のない作品に仕上げられました。
 私自身この作品は特に気に入っていて、伝承化をねらえる、ここ数年のうちで最も成功した作品と自負しています。一匹折るのに5 分とかかりませんから、たくさん折っていろんな方に紹介していただけたらと思います。

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マトリョーシカMatryoshka(Russian nesting doll) by Ms. Hiromi TAKAGI
髙木ひろみ

ポケットのあるマトリョーシカです。ポケットを利用して入れ子ができます。本物のマトリョーシカに彩色の楽しみがありますが、同じようにお絵かきしたり、シールを貼ったりして遊ぶこともできます。(作者)

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◆マンモスMammoth by Mr. Kunihiko KASAHARA
笠原邦彦

昔からマンモスの巨大で大曲がりした牙きばって、一体どう役立っているんだろ?と不思議に思っていて、今でも謎。アフリカ象インド象の牙は大いに役立っているのを、映像で見て知っていますが…。これパズルだ。(作者)

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◆月に吠えるおおかみ、複合のおおかみ
Moon wolf and Wolf by a couple of paper by Mr. Kunihiko KASAHARA
笠原邦彦

童話では悪者にされる狼おおかみですが、とても賢く愛情豊かだと、少年のころ読んだシートンの『狼王ロボ』に教えられ、リスペクトする動物です。でも、折り紙で表現するとき、犬との相違を出すのが難しくてマンガチックにしました。(作者)

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◆招き猫のぽち袋Beckoning cat-shaped small envelope by Ms. Akiko YAMANASHI
山梨明子

何となく紙をいじっているうちに、するりと生まれてきた作品です。15cmで折るとコインが入ります。お好きな顔を書いてください。皆さんにたくさんの福が訪れますように。(作者)

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◆英語でオリガミしよう Let’s enjoy both Origami and English!

春から夏にかけて、形が矢車に似た、青紫、桃、紅、白、青などの色の花を咲かせます。原産地はヨーロッパで、明治時代に日本に渡来したそうです。花の正しい名前は「矢車菊」ですが「矢車草」と呼ばれていた時期があり、この折り紙作品も「矢車草」という名前で伝承されています。本当の「矢車草」は「矢車菊」とはまったく別の植物です。
Between spring and summer, the flowers of“ Yagurumaso” bl oom. Their col ors are bluish purple,peach, deep red, white, or blue, and their shape resembles a windmill. This plant originated in Europe and it is said that this plant has been introduced into Japan during the Meiji Period. The correct name of this plant is“Yagurumagiku (cornflower)” but there was a period it was called“ Yagurumaso (Rodgersia podophylla)”. Therefore, this origami model has been handed down under the name“ Yagurumaso”. The r eal “Yagurumaso” i s a pl ant totall y different from“ Yagurumagiku”

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◆おってあそぼう!!
三角UFO 
青木良

正三角形の折り紙飛行機です。機体の中心をつまんで落とすように滑空させて遊びます。⑬の折りを調節して長く滑空するようにします。(作者)

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◆傘のコーナー飾り(ブックマーク)
Corner decoration of the umbrella by Ms. Ryuko
梨本竜子

じめじめとした梅雨の日も、カラフルな傘があれば楽しく過ごせそうです。本のしおりとして、メモや掲示物の角に飾りとして、いろいろに使ってみてください。(作者)

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あじさいの花プレートJapanese hydrangea wreath by Ms. Noriko NAGATA
永田紀子

再掲載ありがとうございます。初めてのリース投稿作品でした。リースという用語もなじみがなくて、「プレート」というタイトルにした20年余り前の懐かしい作品です。糊付けありとなしで2通りの仕上げ方となります。(作者)

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◆カタツムリの箸はしぶくろ袋
Snail-shaped chopsticks’ envelope by Mr. Katsuhisa YAMADA
山田勝久

カタツムリの体の形が出るように、ていねいに折り進めてください。⑫⑬は中わり折りの仕方が異なります。7.5cm角の大きさの紙で折ると、楊枝入れとして使えます。(作者)

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◆ツインBOX Twin boxes by Ms.Ayako KAWATE
川手 章子

一つの単体でBOXができあがり、その折るときのねじり方を反対回りにしたものをもう一つの単体にして組み合わせてみました。単体でも箱として使えそうです。④の三等分は厚みがあるために少し折りにくいですが、正確に折るときれいにしあがるようです。(作者)

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◆ブルちゃんBulldog by Mr. Eiji TSUCHIDO
土戸英二

仕上げを立体的に加工する作業が多い作品です。図47は、半開折りのような形でもよいです。折り方をマスターしたら、アレンジして、自分なりの「ブルちゃん」を育って下さい。(作者)

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今回の作品の折図は月刊おりがみ2018年5月号 No.513に掲載されております。

月刊おりがみは墨田区にある東京おりがみミュージアム日本折紙協会にて販売しております。

日本折紙協会

〒130-0004 東京都墨田区本所1-31-5

◆ TEL:03-3625-1161/FAX:03-3625-1162   

◆ E-mail:info@origami-noa.com

 インターネットでも購入できます。

↓以下のリンクからFujisan.co.jpの購入ページに移動いたします。

www.fujisan.co.jp




日本折紙協会(http://www.origami-noa.jp/)とは~
NIPPON ORIGAMI ASSOCIATION (NOA)
日本折紙協会は、折り紙を世界の国々により一層普及させたいという思いと、幼児教育に限らず、大人の趣味、高齢者や身障者の方のリハビリテーションなど様々な可能性をもつ「おりがみ」普及の一助となりたいという考えから1973年10月27日に結成されました。
現在では、月刊「おりがみ」の発行、「世界のおりがみ展」「折紙シンポジウム」の開催、「おりがみ級」「折紙講師」「折紙師範」「折紙上級師範」の認定、「おりがみの日」記念イベントの実施、「日本折紙博物館」との提携など、おりがみ普及のためにさまざまな活動を行っています。

~会員になるには~
月刊「おりがみ」の年間購読を申し込めばどなたでも会員になれます。会員の特典として、協会発行単行本と協会取扱い折り紙商品の割引購入、月刊「おりがみ」への創作作品投稿、「世界のおりがみ展」「おりがみの日」「折紙シンポジウム」など協会主催行事に参加および作品を応募できるほか、「おりがみ級」「折紙講師」の申請資格があたえられます。

~月刊「おりがみ」とは~
会員から投稿される創作折り紙作品(話題の動物やキャラクター、季節にそった行事・イベントに関するもの)の折り図(折り方を図で順番に説明したもの)を紹介するほか、会員の折り紙活動を紹介します。折り図の順番通りに折っていけば完成できるので、小学生から90代の方まで1万人を超える会員の方がおりがみを楽しんでいます。
月刊「おりがみ」は毎月末ごろお届けします。

~世界のおりがみ展とは~
さまざまな情景を折り紙で表現した立体パノラマ作品(おりがみブースといいます)と個人作品の展示コーナーにおりがみ教室を加えたイベントが『世界のおりがみ展』です。もちろん書籍や折り紙用紙の物販コーナーを加えることもできます。

現在、世の中では様々なイベントが行われていますが「世界のおりがみ展」は動員催事と文化催事を兼ね備えた独特の巡回展で、1976年の第1回展より20年以上の歴史があります。

3年に1度ひとつのテーマにそって制作され、お子様ばかりではなく大人の方にも十分楽しんで頂き、毎回皆様に驚きと感動の世界を展開しています。なお、「世界のおりがみ展」には、外務省と文化庁の後援を戴いております。他に都道府県・市町村・地元教育委員会・マスコミ等に後援を戴いている場合もございます。

おりがみ展は、おりがみブース・個人作品展示とおりがみ教室に、オプションの[販売コーナー]で構成するおりがみイベントです。
[おりがみブース]は、数え切れないほどの作品によって作られたジオラマが、所狭しと展示されています。約90㎝角の展示台(ブース)とパネル(壁面)作品を基本に組合せて大小変化にとんだ装飾を可能にしています。又、この展示台は折りたたみ式で、運搬時には箱型に収納して運べるようになっています。

[個人作品]は、折り紙作品コンクールの対象になり、日本国内のみならず、世界20数カ国から送られてきた作品が、200余点集まります。その中から、外務大臣賞、国際交流基金理事長賞、NHK会長賞などの賞が授与されています。さらに、折紙著名人の作品も招待作品として展示します。

[おりがみ教室]は、日本折紙協会認定の折紙講師により行われています。1回40分の講座が1日数回行われ、いずれの会場でも連日大好評を頂いております。

[販売コーナー]は、日本折紙協会編集発行の月刊誌「おりがみ」、折り紙専門書、有名折り紙メーカーの商品(折り紙用紙等)を豊富に取り揃え、販売しています。これらの商品は、日本折紙協会がまとめて会場へ搬入・搬出致します。

この「世界のおりがみ展」は過去には全国の有名百貨店の催事として多く実施され、開催期間は標準で6日間前後です。集客には実績があり、「これほど折り紙が人気のあるものとは思わなかった」と催事のご担当者には必ず驚かれ、喜ばれます。昨年夏には日本橋三越本店催事場で実施し、大好評のうちに幕を閉じました。

来訪者としては、年配の方はもちろんですが、お子様連れのファミリー層も多いです。ベテランの折紙講師が懇切丁寧に教えますので、親子で皆さん楽しんでいかれます。当協会が活動趣旨に掲げている「折り紙の普及」にご協賛いただき、ぜひとも開催をご検討いただきたいと存じます。

~折紙シンポジウムとは~
全国各地で毎年夏(7月下旬)に開催。講演会、児童教育部会、歴史研究部会、創作部会、折り紙教室などにより新たな折り紙の世界に触れる機会として、また会員相互の情報交換や懇親の場として2泊3日の日程を行楽地(温泉地)で楽しく過ごします。世界各国から毎年300名を超えるおりがみファンが集まる世界最大の「おりがみイベント」です。

おりがみの日(11月11日)とは~
この日は世界平和記念日であり、また数字の「1」が4つで正方形折り紙の4辺を表すことから、日本折紙協会では「おりがみの日」としています。この日を中心にして、会員の皆さんから寄せられた作品の展示会「おりがみカーニバル」や折紙講師勉強会を毎年10月にこどもの城(東京都渋谷区)で開催します。

~「おりがみ級」と「折紙講師」とは~
「おりがみ級」とは、主に16歳未満の会員のための資格です。月刊「おりがみ」で指定している作品を規定数折って協会に送付し、認定されると「おりがみ級認定証」が授与されます。最初は10級からスタートします。16歳未満の1級取得者には申請により「こどもおりがみ博士」認定証と、NOA特製バッジが授与されます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)

「折紙講師」資格は、16歳以上の会員であればどなたでも申請できます。協会発行の「おりがみ4か国語テキスト」を購入し、テキスト掲載の全作品約60点を自作完成させた形で申請書(テキスト巻末)とともに協会に送付し、申請料2,160円を納付(下記口座番号へ郵便振替)します。その後審査会が全作品合格と認定した方に折紙講師認定証、資格証、講師指導の手引を授与します。不合格作品があれば、その作品のみ折り直して再提出いただきます。(詳細は月刊「おりがみ」をお読みください)。

口座番号00110-6-188035 加入者名「日本折紙協会

~おりがみをおしえる~
老人ホームや社会福祉施設、自治体主催のサークル、保育関係施設・学校、文化センター、カルチャー教室などなど、さまざまな場所でおりがみは活躍しています。
独自にボランティアで教えている会員の方も多くおられますが、協会には全国から「おりがみを教えてくれる方を紹介して欲しい」という依頼が毎月あり、折紙講師資格をお持ちの会員の方に指導をお願いしております(協会より報酬を支給)。
おりがみ教室では、お子さんから年配の方まで「おりがみをおぼえたい」という気持ちにこたえようと講師も真剣です。熱のこもった授業を終えて帰られる皆さんの表情は満足そうですが、講師の方は生徒の「ありがとう」の言葉に安心しつつも、もっとわかりやすい説明はないだろうかと考えるようです。毎回真剣勝負なので様々な苦労がありますが、いろいろな形で努力が報われるようです。

~おりがみ教室とは~
日本折紙協会事務局では、全国の日本折紙協会公認の折紙講師を派遣しています。
おりがみ教室をご依頼いただく際は、専用の申込書をご提出いただきますので、
協会ホームページをご覧ください。
必要事項をご記入の上、実施日の最低1~2月前にご提出ください。